■日常

■(続)MCIって知っていますか?


313日に、「MCIって知っていますか?」というブログ記事を書きました。

 

https://biopatentblog.blog.fc2.com/blog-entry-226.html

 

MCIとは、Mild Cognitive Impairmentの略で、認知症の前段階の状態(軽度認知障害)を意味します。

 

記事中で、株式会社ERISAと滋賀医科大が特許(特許6483890)を取得したということを書いていたのですが、確認したところ、異議申立(2019/09/13がされ、さらに取消理由通知書(2019/12/04がでていました。

 

特許6483890の請求項1は以下のとおりです。

 

「【請求項1】

  軽度認知障害の被験者が所定期間内にアルツハイマー病を発症するか否かの予測を行う診断支援装置であって、

  前記被験者から取得した脳画像を灰白質、白質、および髄液部分に分割する領域分割部と、

  前記分割された各領域に複数の関心領域を設定する関心領域設定部と、

  各関心領域の体積について、各関心領域におけるt値およびp値を演算するt値およびp値演算部と、

  前記t値およびp値に基づいて、各関心領域のz値を演算するz値演算部と、

  機械学習された予測アルゴリズムに従って、前記被験者が所定期間内にアルツハイマー病を発症するか否かの予測を行う予測部とを備え、

  前記予測部は、前記z値に基づいて前記予測を行う、診断支援装置。」

 

取消理由通知書では、進歩性欠如、サポート要件違反が指摘されています。

進歩性の主引例は、審査段階の拒絶理由通知書で引用された文献と同じです。引例2も同じです。どうやら、新たにクリティカルな文献が見つかったことが取消理由に効いたということではなさそうです。

 

特許査定が出たら普通は一安心するところですが、特許公報発行から6ヶ月は異議申立ができるので、この期間は完全には安心できないですね。6ヶ月経過後も無効審判が可能ですが、異議に比べると件数は圧倒的に少ないです。

6ヶ月過ぎるまではニュースリリースしないっていうのもありかもしれないですね。競合会社がちゃんとしてれば、どちらにしろ特許をウォッチング(SDI)しているかもしれないですが。

 

今後は、特許権者から意見書(任意に訂正請求)が提出されることになります。

また数ヶ月後に経過を確認してみようと思います。



20190313_MCI2_biopatentblog.jpg
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■「ブラックホールの撮影に成功」のニュースと論文


ブラックホールの撮影に成功した、というニュース&記者会見が4月10日22時頃にありました。
国立天文台などが参加する日米欧などの国際共同研究プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」による研究成果です。
記者会見の様子をネットで見ましたが、すごい成果ですね。




▼ブラックホールの撮影に成功 世界初 一般相対性理論を証明
「世界で初めてブラックホールの影を撮影することに成功したと、日米欧などの国際研究チームが10日、発表した。ブラックホールの存在は約100年前にアインシュタインの一般相対性理論によって予測されたが、強大な重力で光さえも外に出られないため、観測が難しかった。研究チームは高解像度の電波望遠鏡を利用してブラックホールのごく近傍のガスが発する電波を精密に観測し、影絵のようにブラックホールを浮かび上がらせた。」
毎日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190410-00000094-mai-sctch




2017年4月に世界8カ所の電波望遠鏡で観測し、2年かけて解析したそうです。

国立天文台のニュースリリースはこちらです。 10日付の論文のリンクもあります。

▼史上初、ブラックホールの撮影に成功 ― 地球サイズの電波望遠鏡で、楕円銀河M87に潜む巨大ブラックホールに迫る
https://www.nao.ac.jp/news/science/2019/20190410-eht.html


先ほど見たところ、上のサイトの論文のリンクが一部Not Foundになってしまったのですが、下記サイトから見れました。

▼Focus on the First Event Horizon Telescope Results
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190410-00000094-mai-sctch


ちなみに、このニュースとは関係ありませんが、ブラックホールをクレームの構成要素に含む日本特許を調べてみたところ、1だけありました(但し従属請求項)。

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■J-PlatPatが使えない!?


明日の午前はJ-PlatPatが使えません。
ちょっとの期間なので問題ないと思いますが、みなさんご注意ください。

【緊急】2019/3/16(土)9:00〜2019/3/16(土)12:00までJ-PlatPat全サービスを停止します

ちなみに3/30(土)9時~4/1(月)8時も使えません。
年度末の仕事が終わらなくて土日に突入した場合、J-PlatPatが使えないので要注意ですね。

ここ半年以上、J-PlatPatを使った特許調査の連載をやってて、原稿を土日に書くことがあります。
J-PlatPatの停止日が原稿の締め切りに近いと結構やばいので、停止日には気をつけるようにしています。

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■『乃至』、『思料します』って何ですか?


特許業界で使われるちょっと堅めの言い回しがあります。
だいたいこんな意味合いでみなさん使ってるんだと思います。


●乃至 → ~

●思料します。 → 考えます。

●鑑みると → (照らし合わせて)考慮すると

●を踏襲し → を反映させて/と同じように行い

●従前 → これまで/以前

●審査官殿 → 審査官の○○様


この中で、特許実務上一番避けて通れないのは『審査官殿』かなと思います。
意見書で『審査官殿は以下の拒絶理由を通知されました』とか、『審査官殿は・・・と認定されました』とか書きますよね。
『拒絶理由通知書には以下の記載があります』って書く方法もありますが。


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■MCIって知っていますか?


昨日のPR TIMESに
「アルツハイマー病に進行するMCI患者を識別する技術に関する国内特許を取得」
という記事がありました。

出願人の株式会社ERISAのプレスリリースです。滋賀医科大との共願です。

・PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000041196.html

MCIとは、Mild Cognitive Impairmentの略で、認知症の前段階の状態(軽度認知障害)を意味します(詳しくは上のリンク先に記載されています)。

昨年10~12月のテレビドラマで『大恋愛~僕を忘れる君と』というのがありましたが、女優の戸田恵梨香さん演じる北澤尚がMCIと診断され、後にアルツハイマー病に進行していく話でした。
このドラマでMCIを知った方も多いと思います。

上記の特許は、進行性MCIと非進行性MCIを識別する技術に関します。この技術によって、進行性MCIの患者を主な対象として治験を実施することが可能となり、アルツハイマー病の治療薬の開発につながる可能性があるそうです。

昨日のブログでAIの話を取り上げましたが、この特許の進行性MCI識別技術も機械学習を利用して開発されたそうです。

特許番号が6483890と記載されていたので、J-PlatPatで調べてみたところ、まだ公報は公開されていませんでした。
早期審査で特許になったようです。
出願日は2018/4/27で、特許査定は2019/1/18です。

特許公報が公開されたら、どのような請求項なのか見てみようと思います。

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■AI特許ランキングを正しく見る


3月10日付の日経新聞で、
「AI特許 米中が逆転 上位50に中国19社、国策映す」
という記事がありました。2016~18年の3年間で公開された特許(日米欧中WIPOなど)の出願件数を調べたそうです。調査はパテント・リザルト社の協力で行ったそうです。

・日経
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO42267450Z00C19A3EA1000/

一方で、2月1日付のSankeiBizで、
「AI特許出願企業、日本勢が健闘 WIPO報告書 上位10社中6社占める」
という記事がありました。こちらはWIPOの報告書をもとにしています。

・SankeiBiz
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/190201/mca1902010500003-n1.htm

どちらも1位IBM、2位マイクロソフトまでは同じですが、他は結構違います。
日経は米中が強い感じで、SankeiBizは日本が健闘した内容になっています。

この差異は、調査対象年、調査対象国などの違いによると考えられますが、このように特許ランキングは作り方・見せ方によってイメージを変えられるので注意が必要です。

ちなみに、中国網日本語版はSankeiBizと同じWIPO報告書に基づいて、
「AI特許、米中が世界をリード WIPO報告」
という記事を出しています。

・中国網日本語版
http://japanese.china.org.cn/business/txt/2019-02/01/content_74433027.htm


この件に限ったことではないのですが、母集団を作るときの検索式の違いによって特許ランキングの結果は大きく異なります。
わかりやすいところだと、検索式に特許分類だけを使用する場合、キーワードだけを使用する場合、それらの併用の場合で違います。

また、AI特許をどう定義するかにもよります。例えば、明細書のどこかに人工知能(及び関連ワード)の記載があったら全てAI特許とするのか、もしくは、その記載が特許のメイン技術に関与しているときのみAI特許とするのかによっても、母集団が大きく変わってきます。

私の方でAI特許を検索したところ、対象国を日本のみにすると、IBMとマイクロソフトの順位はかなり下がりました。日本にはあまり出願してないようです。

というわけで、特許ランキングの評価って難しいって話でした。
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■事務所のホームページが新しくなりました!


私が勤務している特許事務所(SK特許業務法人)のホームページが新しくなりました。

https://skiplaw.jp/

以前のホームページは手作り感が強く、刺激的なコンテンツが多かったのですが、今回のリニューアルで普通のホームページに近づいたと思います。

ちょっと気になるところがあるので(文字サイズ、文章表現、個人写真の有無など)、今後微修正をするかもしれませんが、大枠は完成しました。

私はホームページの更新をサブで担当することになりました。

英語版、中国版は今月中を目処にアップされると思います。


20190310_biopatentblog.jpg

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プロフィール

徳重大輔


Author: 徳重大輔

バイオ、医薬、特許関連のブログです。
業界動向や知財判決などの情報をアップしていきます。

SK特許業務法人に勤務しています。明細書作成、特許調査、その他一通りやってます。明細書はバイオ医薬(特に抗体医薬)、調査は無効資料調査が特に得意です。

お問い合わせは、
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