■2012-02-

■世界2位、3位 幹細胞治療剤(韓国)


前回、「世界初 幹細胞治療剤(韓国)」というニュースを紹介しましたが、2位、3位も韓国製です。 今年1月に韓国で製造販売の承認を受けたそうです。

・CARTISTEM (Medipost Co Ltd.)、軟骨再生治療剤
・Cupistem (Anterogen Co., Ltd.)、痔ろう治療剤

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지난번 "세계 최초 줄기 세포 치료제는 한국제" 라는 뉴스를 소개했지만, 2위, 3위도 한국 제품입니다. 올해 1월에 한국에서 제조판매 승인을 받았다고합니다.

・카티스템 (메디포스트(주)), 연골재생 치료제
・큐피스템 ((주)안트로젠), 치루 치료제
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ハーティセルグラムとキューピーステムは自分の幹細胞を用いますが(自家移植)、カティステムは他人の幹細胞を利用できます(他家移植)。

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■世界初 幹細胞治療剤(韓国)


世界初の幹細胞治療剤「Herticellgram-AMI (FCB PHARMICELL CO., LTD)」が、昨年9月、韓国で発売されました。 自己骨髄由来間葉系幹細胞を主成分とした心筋梗塞治療剤です。

効能・効果: 胸痛発症後72時間以内に冠動脈形成術(PTCA)を施して再灌流した急性心筋梗塞患者における左心室駆出率(LVEF)の改善

韓国語では…

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한국어에서는…

세계 최초로 줄기세포치료제인 하티셀그램-AMI(에프씨비파미셀 주식회사)가 지난해9월 한국에서 시판되었습니다자가골수유래 중간엽줄기세포를 주성분으로 한 심근경색치료제입니다.

효능효과: 흉통 발현 72시간 이내에 관상동맥성형술을 시행하여 재관류된 급성 심근경색 환자에서의 좌심실구혈률의 개선.
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ファーミセル社の特許・特許出願を日本DBのIPDLで検索すると4件(登録3件)ヒット。 いずれも幹細胞関連。 韓国DBのKIPRISで検索すると6件(登録4件)ヒット。
幹細胞の特許の場合、細胞自体は、公知の幹細胞と区別が難しく新規性がだしにくいと思います。 そもそも、区別できない方が治療上好ましいこともあると思います。
京大 山中氏の有名なiPS特許も細胞自体ではなく製造方法の特許です。 iPSは幹細胞ではない細胞を幹細胞に変化(リプログラミング)させている点で少し特殊ですが。
なお上記ファーミセル社の日本登録3件はいずれも分化方法の特許です。

■貼付剤用支持体およびそれを用いた外用貼付剤: 平成23年(行ケ)第10143号審決取消請求事件


平成24年1月18日 知的財産高等裁判所
原告 帝國製薬株式会社
被告 特許庁長官
請求項1 剥離フィルム,薬物含有層,支持体からなる外用貼付剤において,支持体が,ポリエステル繊維を主体とし,それに低融点繊維を3~20%混紡した伸縮性を有する不織布であり,該不織布にエンボス加工により文字を刻印したことを特徴とする外用貼付剤。

コメント: ①引例に適用された周知例は、特異的な例なので、周知技術であると認定できない、と原告は主張したが認められなかった例。 拒絶審決維持。 ☆

審決: 引用例に周知例1、2を適用することで進歩性を否定。
原告: 「周知例1と2により開示されている技術的知見は,各発明が目的とする特異的な発明の効果を発揮するための支持体として,特異的な性質を有するポリエステル繊維の主体に低融点繊維を混紡させたものであって,これを一般的な外用貼付剤の支持体に関する周知技術であると認定することはできない。」
裁判所: 「周知例1及び2は,いずれも本願発明と同様の技術分野に属するものであるところ,その解決すべき課題については本願発明,周知例1及び2のいずれも異なるものではあるが,周知例1及び2により開示されている不織布の低融点繊維の混紡量に係る技術的知見については,外用貼付剤における一般的な知見ということができるものであって,周知例1及び2が解決すべき課題に特有の知見であるということはできない。」

②審決の一致点・相違点の認定に誤りがあっても、審決の結論(進歩性欠如)は覆らなかった例。

裁判所: 「本件審決には,原告主張相違点2の構成についても引用例に記載された発明の構成として認定した点に誤りがあるものの,当該構成については,当業者が容易に想到し得るものであるということができる。 したがって,本件審決の一致点及び相違点の認定についての誤りは,本件審決の結論に影響を及ぼすものということはできない。」

なお、前回のブログ記事では、審決の「引例発明の認定」に誤りがあるという原告の主張が認められた結果、審決の結論(進歩性欠如)が覆った例を紹介した。

■テアニン含有組成物: 平成21年(行ケ)第10144号審決取消請求事件


平成22年3月30日 知的財産高等裁判所
原告 太陽化学株式会社
被告 特許庁長官
請求項1 テアニンを含有することを特徴とする,α波の出現時間の累計を平常時に比べ10パーセント以上増加させるための,α波出現増強剤。 

コメント: ①引例発明の認定、及び組合わせ容易性が争点。 引例1と2には、いずれもストレスの程度の軽減に関連する技術が開示されている。 裁判所は、審決がした引用発明の認定に誤りがあると判断し、引例1に2を適用する示唆があるという被告の主張を認めなかった例。 拒絶審決取消。 ☆

引例1の記載: テアニンを有効成分とする抗ストレス剤。 ストレス負荷のある状態からストレスを取り除いた。
引例2の記載: リラックスの程度が高まるにつれてα波が増加する特段のストレス負荷のない状態からリラックス(ストレスを解消してリラックス)させた。

原告:  「ストレス状態」、「平常時」、「リラックス状態」の3つの精神状態が存在する。 → 引例1は「ストレス状態→平常時」であり、引例2は「平常時→リラックス状態」である。 → 引例1と2を組み合わせて本願発明に至る示唆がない。
被告: ストレスの程度は連続的に存在しており、「平常時」という独立した状態は存在しない。 ストレスの程度やリラックスの程度によっては、中間的な状態があり、それは「ストレス状態」と「リラックス状態」が混在したような状態である(乙3)。 …引用例1の記載に接した本願出願当時の当業者は,テアニンを摂取することにより,その抗ストレス作用によりストレス状態を軽減し,リラックス状態あるいはそれに近い状態に移行ないしは維持されることを当然に期待し得る。 → 引例1に引例2を適用する示唆がある。
裁判所: 乙3からは、ストレス状態、リラックス状態、その中間状態という3つの状態が存在することが認められ、この知見によっては、ストレスの予防・軽減が直ちにリラックス状態に導くものとすることはできない。 → 引用例1には、ストレスを解消・軽減してリラックス状態に至るとの示唆があるとの被告の主張は採用することができない。

その他(裁判所): 「(引用例2発明の認定の誤り) 引用例2の「ストレスを予防又は軽減」との記述は、その技術的な裏付けがなく、単に、リラックス状態への移行を述べたにすぎないと理解するのが合理的であり、また、実施例を含めた引用例2全体の記載からみても、引用例2に、ストレスを予防、軽減する技術が開示されていると判断することはできない。 …審決は、引用例1発明及び引用例2発明の「ストレス」の意義についての誤った理解を前提として、両者の解決課題が共通であり、引用例1発明には引用例2発明を適用する示唆があると判断した点において、審決の上記認定の誤りは、結論に影響を及ぼす誤りであるというべきである。」

②自律神経に作用するか(引例1)、中枢神経に作用するか(引例2)、という作用機序の違いが、引例1と2を組み合わせることの阻害要因として認められた例。


■IPDLのキーワード枠はサイズ変更可


特許メモ: IPDLのキーワード枠はサイズ変更できます。


■IPDLは英語の大文字・小文字・全角・半角を区別しない


特許メモ: IPDLで「protein」、「Protein」、「Protein」のどれで検索してもヒット件数は変わりません。 IPDLは英語の大文字・小文字・全角・半角を区別しないようです。

試しに2012年に発行された公報で、「要約・請求項」に「protein」と記載されているものを検索すると8件がヒットします(前回のブログ参照)。 一方で、キーワードを「Protein」、又は「Protein」に代えてもヒット件数は8件です。

■蛋白質の調査ではproteinも有効


特許メモ: 蛋白質関係の特許調査をするときには、検索キーワードに「蛋白質 たんぱく質 タンパク質 プロテイン」を使うことがあると思います。 日本の公報は、日本語で書かれているので「蛋白質 たんぱく質 タンパク質 プロテイン」で多くの場合問題はありませんが、まれに「protein」でないとヒットしない場合があります。

試しに2012年に発行された公報で、「要約・請求項」に「protein」と記載されているものを検索すると8件がヒットします(下記参照)。 このうち、2件は「要約・請求項」に「蛋白質 たんぱく質 タンパク質 プロテイン」が記載されていません。 そのため、その2件は「蛋白質 たんぱく質 タンパク質 プロテイン」では取りこぼしてしまうことになります。


というわけで、日本語の特許調査でも、時には英語を入力することが必要です。


■特許の調べ方: IPDL入門 その2(特許番号)


特許メモ: 前回に引き続き特許の調べ方です。 今回は特許番号から、その特許の公報(内容)を探します。
新しい発明がニュースになるとき、特許番号が一緒に紹介されることがあると思います。
例えば、googleで「iPS 山中 特許」で検索すると、山中氏のiPS関連のニュースと一緒に「日本特許第4183742号」というキーワードが見つかります。

この番号を前回の記事と同じ要領で、「検索項目選択」を「登録番号」にして、「検索」をクリックします。


「一覧表示」をクリックすると、山中氏のiPS特許の一つ(特許4183742号)の具体的な内容を見ることができます。
今回はIPDLの「公報テキスト検索」から検索しましたが、特許番号や公開番号をもとに公報を探す場合には、下記のURLから検索すると便利です。

・特許・実用新案公報DB
http://www.ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjsogodb.ipdl?N0000=101

・特許・実用新案文献番号索引照会
http://www.ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjbansaku.ipdl?N0000=110


■特許の調べ方: IPDL入門 その1(キーワード)


特許メモ: どのような特許があるかは、IPDL(特許電子図書館)で調べることができます。 URLは下記です。
・公報テキスト検索
http://www7.ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjkta.ipdl?N0000=108

こんな感じの画面です。


特許には現時点で権利が発生しているものと、権利が発生していないものがあります。 すでに権利が発生している特許を検索するのであれば、「●公報種別」の「特許公報」にチェックを入れます。
あとはgoogle検索の要領で検索できます。 権利の範囲は「請求の範囲」の内容で決まりますので、調べたい特許があるなら、「検索項目選択」を「請求の範囲」にして、「検索キーワード」に調べたい特許に関連するキーワードを入力し、「検索」をクリックします。


試しに、「抗癌剤」で検索すると下記のようになります。391件がヒットしました。


「一覧表示」をクリックすると、特許の一覧と、具体的な内容を見ることができます。


■ポテリジェント抗体の世界初の医薬品製造販売承認間近


協和発酵キリンが「ポテリジェント抗体」を製造販売承認申請(昨年4月)したことを以前紹介しましたが、ついに承認されるそうです(早ければ3月中)。
同社のHPではまだ公表されていないようですが、日経等で記事になっています(2012/2/1)。

・ポテリジオ点滴静注20mg(一般名:モガムリズマブ遺伝子組換え)
・「再発又は難治性のCCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。 オーファンドラッグ。 再審査期間10年。

ポテリジェント関連の特許はいくつかあるようですが、例えば
特許4368530、特許4886010があります。 後者は昨年末頃に特許査定になったばかりです。

そういえば、同社の新社長に花井陳雄取締役・専務執行役員開発本部長が内定したというニュースも最近ありました。 花井氏はポテリジェントの研究に携わっていた方で、BioWa社(抗体医薬ビジネスを行う米国子会社)設立時の社長もされていた方です。

関連記事:ポテリジェント抗体の世界初の医薬品製造販売承認申請

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プロフィール

徳重大輔


Author: 徳重大輔

バイオ、医薬、特許関連のブログです。
業界動向や知財判決などの情報をアップしていきます。

SK特許業務法人に勤務しています。明細書作成、特許調査、その他一通りやってます。明細書はバイオ医薬(特に抗体医薬)、調査は無効資料調査が特に得意です。

お問い合わせはbiopatentblog@gmail.com(@は半角)へお願いします。

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