■2012-08-

■若年性認知症の特許出願は少ない


1. 若年性認知症の特許出願
若年性認知症関連の特許出願件数をIPDL(特許電子図書館)で検索してみました。 結果はたったの7件。 若年性認知症に特化した研究はほとんど行われていないことが推測できます。

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ちなみに、「若年性 and 認知症」のように離して検索すると267件ヒットしましたが、ノイズが多そうだったのでくっつけて検索しました。 SRPARTNERで近傍検索(5文字順)もやってみましたが同じく7件でした。 キーワードの種類は最小限にしています。


2. 認知症の特許出願
なお、「若年性」にしぼらずに、上位概念の「認知症」で検索すると、たくさんヒットします。 以下は、SRPARTNERで検索した結果です。

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■若年性認知症者数は推計で3.78万人


前回に引き続き若年性認知症について。
65歳未満で発症した認知症は若年性認知症と呼ばれています。下記の厚生労働省HPに有病率に関する調査結果が記載されており、国内の若年性認知症者数は推計で3.78万人になるそうです。 また18-64歳の人口10万人当たりの若年性認知症者数は推計で47.6人になるそうです(約2100人に1人)。 
この調査の期間は平成18年度から平成20年度の3年間です。 前回のブログの通り、認知症高齢者が増加していることを考えると、今同じような調査を行うともっと多い結果となるかもしれません。

若年性認知症には脳血管性認知症、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症等がありますが、下記HPによれば脳血管性認知症が最も多く、続いてアルツハイマー型認知症が多いようです。

若年性認知症の実態等に関する調査結果の概要(平成21年3月19日)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/h0319-2.html

最近、若年性アルツハイマー型認知症をテーマにしたドラマも放送されています(日9:ビューティフルレイン)。過去には「Pure Soul」や「私の頭の中の消しゴム」などのドラマ・映画もありました。 こういう病気・医療関係のドラマや映画をみると、医者や医薬品研究者ってすごい仕事だなと思います。
 ちなみに、ビューティフルレインの裏ではサマーレスキューという医療ドラマが放送されています。

■2012年の認知症高齢者数は305万人


厚生労働省の発表資料によると、2012年の認知症高齢者数(日常生活自立度Ⅱ※以上)は推計で305万人になるそうです。 65歳以上人口に対する比率は約10%であり、65歳以上の10人に1人は認知症を患っている計算になります。 (※日常生活自立度Ⅱとは、日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意すれば自立できる状態。)


なお2002年の報告では認知症高齢者数は149万人であり、この10年間で約2倍に増えたことになります。 この背景には、高齢化と受診率増加が影響していると思われます。
詳細は下記URLに記載されています。

認知症高齢者数について(平成24年8月24日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002iau1-att/2r9852000002iavi.pdf

認知症の治療薬といえば、まずはアリセプトが思い浮かびますが、最近はアリセプト以外にもいくつか新薬が販売されています(下記参照)。 但し、いずれも根本的に認知症を治すというわけではなく、進行を抑えるにとどまります。

認知症は、変性性認知症(アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など)と、脳血管性認知症(脳梗塞など脳の血管の異常が原因で起こる認知症)に分類できます。 この中では、アルツハイマー型認知症が最も多いようです。 また、65 歳未満で発症する認知症は若年性認知症と呼ばれています。

アリセプト(ドネペジル塩酸塩、Donepezil Hydrochloride)
作用:アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害作用。
効能・効果:アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制。

メマリー(メマンチン塩酸塩、Memantine Hydrochloride)
作用:グルタミン酸受容体サブタイプの1つであるN-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体拮抗作用。
効能・効果:中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制。

レミニール(ガランタミン臭化水素酸塩、Galantamine Hydrobromide)
作用:アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害作用、及びニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)へのアロステリック増強作用(APL 作用)。
効能・効果:軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制

イクセロンパッチ(リバスチグミン、Rivastigmine)
作用:アセチルコリンエステラーゼ(AChE)、及びブチリルコリンエステラーゼ(BuChE)の阻害作用。
効能・効果:軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制

関連ページ: 
・アリセプト期間延長 平成21年(行ケ)第10423号… 審決取消請求事件
・メマリー:NMDA受容体拮抗型のアルツハイマー型認知症治療薬の発売
・イクセロンパッチ:日本初の貼付タイプのアルツハイマー型認知症治療薬の製造販売承認
・韓国の薬価が4月1日から平均14%カット


■米国訴訟: モンサントのRoundup Ready訴訟、賠償額は$1 billion


■バイオ特許ニュースを提供していただいたので紹介します。

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地裁判決ですが、MonsantoがDuPontに勝利したそうです。
賠償金額は1$ billion(約800億円)です。
Monsantoの主力製品である、Roundup Ready soybean(遺伝子組換え(GMO)ダイズ)
の特許を故意に侵害したとの判決です。
ちなみに、MonsantoのRoundup(農薬)とRoundup Ready soybean(農薬耐性ダイズ)の
組み合わせの商品戦略は、米国のダイズ生産の90%以上を占めるそうです。
Roundup Ready特許は2014年に切れるとのことです。(提供:宍戸知行弁理士)

New York Times (August 1, 2012)
http://www.nytimes.com/2012/08/02/business/monsanto-wins-big-award-in-a-biotech-patent-case.html?_r=1&ref=business
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モンサントといえば、JETROが紹介している下記の判決も興味深いです。

・出典:JETROデュッセルドルフセンター(2010年7月8日)
「欧州連合司法裁判所(CJEU: Court of Justice of European Union)は,7月6日,DNA配列に関する特許は,そのDNA配列を含んでいたとしても,DNA配列による機能を発揮しない状態の材料に対しては権利行使をすることができないとする判決(C-428/08)を下した。」
http://www.jetro.go.jp/world/europe/ip/pdf/20100708.pdf

日本では、TPP(環太平洋経済連携協定)加盟と絡めて、遺伝子組換え食品の表示義務が緩和されるのではないかということが懸念されているようです。TPPと組み換え表示でググるとたくさんでてきます。

・遺伝子組換え食品の表示の参考URL
遺伝子組換え食品の表示
http://www.maff.go.jp/j/fs/f_label/f_processed/gene.html
http://www.maff.go.jp/j/jas/hyoji/pdf/pamph_d6.pdf
食品表示に関する共通Q&A
http://www.maff.go.jp/j/jas/hyoji/pdf/qa_j.pdf

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プロフィール

徳重大輔


Author: 徳重大輔

バイオ、医薬、特許関連のブログです。
業界動向や知財判決などの情報をアップしていきます。

SK特許業務法人に勤務しています。明細書作成、特許調査、その他一通りやってます。明細書はバイオ医薬(特に抗体医薬)、調査は無効資料調査が特に得意です。

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