■2014-03-

■いいとこ取りの海外特許調査システム・・・がほしい。


昨年、事務所の日本・海外特許調査システム(有料)を見直し、システムを変更しましたが、最近、海外調査の方のシステム変更を検討しています。 販売店の方とも何度か打ち合わせをしました。
各社提供のシステムによって良いところ、そうでもないところがあり、なかなか選ぶのが大変です。 というか、各社システムのいいとこ取りをしたものを作ってしまえばいいのにって思ったりします。

操作性は慣れれば何とかなったりするので、機能と費用を特に気にして検討していますが、海外特許調査システムは日本特許調査システムに比べて各社の機能に結構違いがあるように思います。

昨日は所内のアジアグループを対象に、今検討しているシステムとその使い方について説明会を開きました。 忙しい中参加してくれたアジアグループの皆さんありがとうございました。 アジアグループには中・韓・台ネイティブレベルのメンバーが在籍しておりますが、新しいシステムによって
中・韓・台の調査精度・効率が上がるんじゃないかと予想しています。


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■アイデア詰め込み型明細書と、あっさり型明細書


特許出願の明細書には、実施形態のアイデアがたくさん詰め込まれた明細書(アイデア詰め込み型明細書)と、そうでもない明細書(あっさり型明細書)があります。
実施形態をたくさん書くメリットはいくつかありますが、その1つは、記載要件の拒絶に対応しやすくすることあります。 ただ書きすぎると、明細書作成費用や翻訳費用が増えたり、改良出願の足を引っ張ったりすることがあるので、そこは上手く調整する必要があります。

アイデア詰め込み型の別形態として、ストーリー作り込み型の明細書があります。 いつもではないですが、明細書のストーリーが重要になってくる場合があります。 説得力のあるストーリー作りには、特許実務の知識以外に、技術的な知識、論理的な思考力、国語力が必要です。 実施形態と違って、作成者の個性が出るところだと思います。

細かいことですが、検討することっていろいろあります。


■先行技術との差別化


特許出願の明細書を作成する時には、いろいろ検討することがあります。
今わかっている先行技術に対して本当に差別化できているかどいうか、この点を検討することが、あたり前ですが特に重要です。 新規性はあるけど、単に先行技術1と2の組合わせなんじゃないかと審査官に言われないように、新規の構成、効果、阻害要因などを検討します。 あと、未知の引例に対してどう差別化するかという観点も入れたいところです。


■クレームと実施例


特許の出願書類明細書)には、発明の名称、クレーム、背景技術、課題、手段、実施形態、実施例などの欄があります。
読み物としては、背景技術とか、課題とか、手段のところが面白かったりしますが、医薬・バイオ・化学分野でよい明細書を作るにはクレームと実施例が特に重要です。 他が良くなくても、ここがよければ何とかなったりします。

クレームと実施例を作るときに考えることはいろいろあります。 回避しやすいクレームになってしまっていないかとか、クレームは開発品を本当にカバーできているかとか、クレームが従来技術を含んでいないかとか、用語の設定は本当にそれでいいかとか、新規性・進歩性・記載要件との兼ね合いはどうかとか、実施例は欲しいクレームに対して十分かとか・・・。
あと、明細書を作り終えたなら、自分が作ったクレームを疑ってみるっていうのが大事だったりします。


■特許調査会社と特許事務所の調査業務の特徴


一般的に、特許事務所では明細書作成とか、拒絶理由応答とか、翻訳とかが主業務ですが、特許調査も業務の一部として行なっています。
ただ、特許調査に関しては、それを専門に(または主業務として)行なっている特許調査会社がたくさんあります(以下、特許調査は、特許文献と非特許文献の調査を含みます)。

どちらの方が良いとかいうことはわかりませんが、”一般的な”特許調査会社と特許事務所における調査業務の特徴(強み)ってどんな感じでしょうか。 ちょっと考えてみました。

特許調査会社の強みは、複雑な検索式を作るノウハウがあるという点にあるのかなと思います。
特に、特許分類のノウハウに関しては、一般的には、特許事務所の上を行くと思います。
あとは、会社全体で調査を行なっていますので、品質の向上、ノウハウの共有化はし易いかと思います。 それから、調査員が多いので、契約しているデータベースも多いのではないかと思います。

一方で特許事務所の強みは、鑑定的な観点で調査をしてくれるという点にあるのかなと思います。 無効資料調査の場合は、どういう論理構成で無効にするかって結構重要で、悩ましいところですが、いつも権利化業務を行なってたり、判例検討などを行なっている特許事務所の方が、いろんなパターンの無効理由を想定でき、それに伴う適切な調査が行えるような気がします。 クレーム解釈の質も、特許事務所の方が一般的には高いと思います。

費用的には、特許調査会社の方が安いと思います。
品質のバラツキという観点でも、特許調査会社の方が安定していると思います。 特許事務所は特許調査をほとんどやっていないところもあるので。

あと、意外に重要なのが、文献の内容の理解力、読解力かなと思います。
無効資料調査の場合は、文献の内容を間違って理解していると、無効審判や訴訟でそこを突っ込まれて負けるなんてこともあると思います。 この点については、技術的な知識、国語力、語学力があれば、特許調査会社だから、特許事務所だから、という違いはあまりないかもしれません。

それから、特許調査会社か特許事務所かに関わらずですが、担当者が激務で疲れていて集中できていないなんてことはないかとか、担当者が外国語をちゃんと読めるかとか、時間をかけて調査をしたかとか、適切なデータベースを駆使したかとか、そんな要因に左右されるのかなと思います。

と、思いつきで書いてみましたが、当たっている部分もあるのではないかと思います。



■話題のSTAP細胞の特許出願(続き)


最近、国内外の研究者・研究機関から、STAP細胞を再現できないぞっていう指摘が相次いでいるそうです。 実験条件にもよると思いますが、ニュース記事を見る限りでは、実際に作れたとしても再現性は低そうな印象を受けました。 特許的にもこれは好ましくないですよね。 審査官はどう判断するのでしょうか。

ところで、再現性が低いのであれば、再現性が高い実験条件(但し、非公知)を見つければ、特許が取れるかもしれませんね。

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話題のSTAP細胞の特許出願

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プロフィール

徳重大輔


Author: 徳重大輔

バイオ、医薬、特許関連のブログです。
業界動向や知財判決などの情報をアップしていきます。

SK特許業務法人に勤務しています。明細書作成、特許調査、その他一通りやってます。明細書はバイオ医薬(特に抗体医薬)、調査は無効資料調査が特に得意です。

お問い合わせはbiopatentblog@gmail.com(@は半角)へお願いします。

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